来院時の症状

• 数年前に足の巻爪および外反母趾の手術をした。それ以前にも左膝の半月板の手術をした。

• 体全体がゆがんでいる感覚がある。

• 何か力が入らない、階段の上り下りや立ち上がる時など。

• 常に腰と首にだるさがある。

• 左足の3・4番目の指に力が入りにくい。

 

■検査・原因分析

• 真っすぐな姿勢を取ろうとすると無理に腰を起こそうとしてしまう。

• 内ももと臀部（お尻）の力が弱っている。（骨盤を起こすための筋肉）

• 腰の下の方から背中にかけて後傾していて、
  いわゆる猫背姿勢で固まってしまっている。

• 過去の数回の手術により体のバランスを取るのに、
  痛みをかばう癖がついてしまっている。

• 「骨盤を立てる→歩行を行う」ための筋力が低下しているため、
  歩き方も上手くできていない。（ふらつき）

■施術プラン

• 腰から下全体の筋肉をゆるめながら、背中、腰、肩周りの緊張を取る。
• 背骨全体、及び股関節の動きを回復させ可動域を広げる。
• 姿勢を保つための筋力を生活の中でつけられるようにする。
• 前かがみになる悪い習慣を改め、生活の中で筋肉の強度を強くする。
• 楽しみながら生活習慣を変えていく。

1回目：

• 腰から下肢にかけて筋肉をゆっくりと緩めることから始める。

• 左足首から膝にかけての緊張が強い。

• 筋肉を緩めながら、足首、膝、股関節の動きを回復させるため可動域を広げる動きを付ける。

• 腰と背中全体の柔軟性を高める「猫の体操」を始める

2回目(3日後):

• 全身の筋肉を緩める→関節の調整により可動域を広げる。

• 背中を少しずつ反らす施術を取り入れる。

• 日頃前かがみでいるため、反らそうとすると関節と筋肉が強張るが
  徐々に体を慣らすことに重点を置き、焦らず動きを繰り返す。

• タオルと壁を使って姿勢の基礎トレーニングを始める

3回目(7日後):

• 全身の筋肉を緩める→関節の調整により可動域を広げる。
  （特に股関節と足首を重点的に）

• タオルを使った姿勢の練習が結構難しい。

• まだ力の入れ方が覚えきれていない。

• 姿勢の復習

• タオルを内ももに挿みながら、1歩重心移動する練習を始める
  (始めはタオルが落ちる)

4回目(10日後):

• 全身の筋肉を緩める→関節の調整により可動域を広げる。
  （主に骨盤囲及び肩甲骨）

• 歯磨きをしながらタオルを使った下半身のトレーニングを行えるようになる。

• タオル重心移動：左足を外から回さないよう意識するとタオルを落とさずに重心移動が出来るようになった。

• ふらつき感が無くなってきていることを実感する。

• 骨盤を立てるように更に意識を高める。 

5回目(13日後):

• 全身の筋肉を緩める→関節の調整により可動域を広げる。
  （主に骨盤囲及び肩甲骨）

• 重心移動の一歩目から複数歩へと発展させる。

• 骨盤を立てて歩行する練習を始める（肩甲骨も動かすことを重視）

 

6回目(15日後):

• 全身の筋肉を緩める→関節の調整により可動域を広げる。

• 立っている時に前のめりにならない感覚がつかめてきた。

• これまでいかに内ももとお尻の筋肉を使わずに生活してきたかを実感。

• 壁に寄りかかり踵を上げる姿勢トレーニングの応用編を始める。

• タオルを使わなくても呼吸を使ってお腹とお尻の筋肉を持ち上げることが出来るようになった。

～現在：

　　週1回～2週に1回のメンテナンスを継続している。
　　生活の多くの場面で効果を実感。

　　特に内ももとお尻の力が以前より鍛えられてきた。
　　今は水泳とウォーキングなど新しいことへの挑戦も始めている。
　　30年ぶりにダンスにも挑戦し無事踊ることができた。
　　パートナーの先生から「姿勢がきれいですね」と褒められ、
　　ますます元気に生活を楽しんでおられます。