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私たちの身体には、「意思とは関係なく」働き続けている神経があります。それが自律神経です。
自律神経は、呼吸や血流、内臓の働きなど、生命維持に欠かせない無意識の活動を24時間コントロールしています。整体やセルフケアでも「自律神経の乱れを整える」といった言葉をよく耳にしますが、では実際に、自律神経とはどのような構造で、どんなルートを通って全身に影響を与えているのでしょうか?
本記事では、自律神経の基本的な構造から、交感神経と副交感神経のルートまでを、前後編に分けて丁寧に解説していきます。
自律神経(autonomic nervous system)は、その名のとおり「自ら律する神経」。意識とは無関係に、心臓の拍動、呼吸、消化、排泄、発汗、体温調節、代謝など、生命活動の根幹を担っています。
この自律神経は大きく2つの系統に分けられます。
• 交感神経(sympathetic nervous system)
• 副交感神経(parasympathetic nervous system)
それぞれが互いに反対の作用をもつことで、身体の状態をバランスよく保っています(=自律神経の二重支配)。
交感神経の節前ニューロンは、脊髄の胸髄・腰髄(Th1〜L2)の側角(lateral horn)にあります。ここから出た神経は脊髄神経の前根を通って外に出ていきます。
外に出た後は、脊髄のすぐ横を上下に走る「交感神経幹(sympathetic trunk)」にシナプスします。これが自律神経節にあたります。
交感神経の流れ(概略)
1. 胸・腰髄の側角から節前ニューロンが出る
2. 脊髄神経の前根を経て外に出る
3. 交感神経幹の神経節でシナプスを形成
4. 節後ニューロンが心臓・血管・肺・胃腸などへ分布
交感神経幹は、頭から骨盤までの長い縦ルートで、節後ニューロンはこの幹を上下に移動して、目的の臓器へと枝分かれしていきます。
副交感神経のルート:脳幹と仙髄が起点
副交感神経の節前ニューロンは、脳幹(中脳・橋・延髄)および仙髄(S2〜S4)から出ます。これは交感神経とは異なり、上と下の2か所に集中しています。
特に重要なのは、延髄から出る迷走神経(第10脳神経)。副交感神経の約75%を占め、心臓・肺・胃腸など、胸腹部の主要な内臓に広く分布しています。
副交感神経の流れ(概略)
1. 脳幹または仙髄から節前線維が出る
2. 比較的長い距離を進み、標的器官の近くにある副交感神経節でシナプス
3. 節後線維が内臓に分布
副交感神経は、交感神経と違って節後線維が非常に短く、標的臓器のすぐそばでシナプスをつくるのが特徴です。
次回の記事では、この交感神経・副交感神経のルートがそれぞれどのように臓器に枝分かれし、どの器官を支配しているのかをもう少し詳しく見ていきます。