坐骨神経痛の原因の一つである椎間板ヘルニアについて
詳しく見ていきたいと思います。

ヘルニアというのは「飛び出す」という意味ですが、
椎間板ヘルニアといのは「椎間板が飛び出す」という事になります。

椎間板は首(頚部)・胸(胸部)・腰(腰部)にありますので、
今回は腰部の椎間板が飛び出す腰椎椎間板ヘルニアについてお話をしていきたいと思います。

椎間板ヘルニアと聞くとだいたいは腰椎椎間板ヘルニアの事を言われるくらい
この症状が多発しています。

頸椎椎間板ヘルニアといって首の椎間板が飛び出すこともありますが、
腰と比べたら圧倒的に少ないですね。

何故か？

それは生活習慣の中で背中を丸めて過ごす時間が圧倒的に多いからです。
 

では腰椎椎間板ヘルニアの原因を具体的に見ていきますが、
その前に椎間板ヘルニアの基礎知識を説明します。

背骨は24個の椎骨が重なって出来ています。
その椎骨と椎骨の間にあるのが椎間板ですが、
椎間板というのは線維輪と髄核で出来ています。

通常の髄核は線維輪の真ん中にあるのですが、
前かがみの姿勢を長く続けると後ろへ後ろへ移動していきます。

そして髄核が後ろに行き過ぎて線維輪を押し出したり(突出)
線維輪を破って飛び出したり(脱出)することで、
後ろにある神経を圧迫して痛みを生じる症状です。

では腰椎椎間板ヘルニアになる原因を詳しく見ていきましょう。

一番多い原因としては、
・重たい物を持ち上げる
・激しいスポーツ
・引越しなどの労働

があります。

何故か？

ヘルニアの原理を考えればすぐわかると思いますが、
髄核が後ろに飛び出し神経を圧迫するのが原因なので、
腰を曲げて重たい物を持ったら髄核が飛び出しやすくなってしまいます。

リオオリンピックで銅メダルを取った重量挙げの三宅選手は、
絶対に腰を曲げて(屈曲)バーベルを持ち上げません。
必ず腰を反らして(伸展)バーベルを持ち上げています。

腰を曲げて(屈曲)バーベルを持ち上げると
一発で腰を痛める事を知っているからです。(ヘルニアになる)

あと最近、疫学的研究で知られるようになってきましたが、
精神的なストレスによって腰椎椎間板ヘルニアになるケースもあります。

ストレスを強く感じている人であればあるだけ、
腰椎椎間板ヘルニアになってしまう事も多いという事です。

例えば
・不安
・抗うつ
・結婚生活のストレス
・仕事のストレス
・失職のストレス

などさまざまあります。

何故、ストレスを強く感じている人は
腰椎椎間板ヘルニアになりやすいのか？

一つに言えるのは、
落ち込んでいるときの姿勢の悪さがあります。

落ち込んでいるときにキチッとした
正しい姿勢の人はいません。

スラウチ姿勢といって、
背中を丸めてだら～と座っています。

そうすると髄核が後ろに行きやすい姿勢になっています。

また、イライラしていると交感神経の緊張が強くなり、
筋肉も緊張し血流も悪くなります。
そうすると退行変性が進み椎骨と椎骨がぶつかって骨棘(骨のトゲ)が出来て、
神経を圧迫すると考えられます。

さらに親がヘルニアだと子供もヘルニアになる可能性がアップします。
生活習慣ですね。
親が背中を丸めて悪い姿勢で生活をしていたら子供はマネします。
そのことを家族集積性と言います。

さて、突然ですがここで問題です。

腰椎椎間板ヘルニアになる年代は、何歳が一番多いと思いますか？

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実は20歳代が一番腰椎椎間板ヘルニアになる人が多いのです。

なぜか？

それは若い人の方が激しいスポーツをしたり、
引越しなど重たい物を持つ役回りは若者が担当する機会が多くなるからです。

次に多いのが40歳代。

続いて10歳代となります。

意外と50歳代と60歳代は腰椎椎間板ヘルニアになる機会が若者と比べて
少ないのが統計として出ていました。

面白いですね。

そのように考えると女性より男性の方が腰椎椎間板ヘルニアになる
人が多いということも納得できますね。

では、次回はもう少し専門的な話まで踏み込んでみましょう。

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